千里中央駅直結 SENRITOよみうりの片岡整形外科リウマチ科です。
近年は単なる寿命よりも健康寿命ということが言われています。これまでも、ロコモティブシンドロームやサルコペニアという言葉を紹介してきましたが、最近フレイルという概念が注目されています。
簡単に言うと、年齢により運動機能が低下しているが、まだ介護を要するほどではないという状態です。しかし、予備的な体力が少ないため、わずかのストレスで容易に介護が必要な状態に陥ってしまうのです。また、このフレイルには精神的な意欲の低下も含まれています。そういった意味では、総合的に高齢者が要介護になるリスクの高い状態といえばいいのでしょうか。
当院の外来にきている高齢者のみなさんがこれにあたります。病院に来られる方は、腰や膝などに何かお困りのことがあるわけですから、通院できているならば、その状態を改善、すくなくとも維持しなくてはなりません。そのためにリハビリや投薬、栄養バランスなどが重要になります。また、精神面をケアしないと運動の意欲が保たれないのも当然です。このようにフレイルという状態を理解し、どのように要介護にならないようにするかというのは、非常に大きな課題だと思います。
今年は熱中症での救急搬送が非常に多いという報道もありますが、予備能のすくない高齢者では少しの脱水が命取りになることさえあります。ただでさえ、食欲が落ち気味になりますから、低栄養や臥床により筋力が落ちると回復には非常に時間がかかります。
猛暑日がつづきますが、熱中症に気をつけて、少しづつでも運動を含めて規則正しい生活を続けてください。