片岡整形外科 のすべての投稿

柔道整復師・橋本です!

近頃『 外反母趾、足底腱膜炎、足底筋膜炎、扁平足、開張足、巻き爪、鶏眼 、胼胝、中足骨骨頭痛、種子骨障害』など、前足部の痛みを訴えて来院される方が多く見受けられます。

まず、名称が似ている『 足底腱膜炎 と 足底筋膜炎 の違い 』から説明すると、痛みが生じる『 タイミング 』に違いがあります。

・足底腱膜炎︰長時間同じ体勢や歩行時に『 慢性的 』に痛みが出る事が多い。
 
・足底筋膜炎︰起床時や歩き始めなど『 突発的 』に痛みが出る事が多い。
 
損傷している個所が筋膜か腱膜かの違いで、どちらも同じ部位に発症します。
 

【 足の基礎知識 】

人の足は、直立二足歩行するために足の骨が進化し、片足28個の骨が ガッチリ組み上がって、足裏アーチを形成しています。
 
猿の足は、木や物を掴めますが関節の固定力が弱く、足裏アーチもありません。
 
歩行は、動物からすると凄く大変な動作で、人間は足の骨やアーチ形成、筋肉など重要なパーツのお陰で長距離を歩く、走るなど様々な動き をする事が出来ます。
『 足は人間工学上、最大の傑作である 』

by.レオナルド・ダ・ヴィンチ

【 外反母趾について 】

外反母趾の予防・ケアで、指を広げるアイテムがありますが、外反母趾が発症する直接的な原因は、前足部・内側に荷重することで『 中足骨が広がる 』ことで起こります。

細かく言うと、足を踏み込んだ時、床の反力で上に持ち上げられた中足骨が、内側に回る動き(内反)をしながら 横に広がります。

前足部・内側荷重で歩行する度、母趾は外反方向(小趾側)へ引っ張られ、歩けば歩くほど悪化します。

もちろん、骨をつなぐ靭帯(深横中足靱帯)は緩み、足の横幅が広がり『 開張足 』になります。

『 開張足 』になると、横アーチの頂点(第2中足骨頭)が下って刺激するため、中足骨頭痛やモートン病、胼胝、鶏眼が形成されます。

関節機能解剖学に基づく整形外科運動療法ナビゲーション下肢

【 母趾の付根の骨(第一中足骨)について 】

① なぜ広がる?︰足の甲の関節(横足根関節)が緩み過ぎて、土踏まずで土を踏んでいる(内側アーチが潰れる方向に動いてる)

② なぜそうなる?︰足首の骨(距骨)が内側に回りながら、踵から着地するから。

③ なぜそうなる?︰下腿が内旋(オーバープロネーション)するから 。(足首に回る可動域はなく、下腿は関節している距骨と一緒に回る為)

④ なぜそうなる?︰身体は連動して動いている為、大腿骨は内旋し、骨盤が前傾するから。

上記のような『 運動連鎖 』が常に起こっているからです。

全てに共通する事は『 オーバープロネーション & 前足部 荷重が原因 』と言っても過言ではないと言うことです。

【 オーバープロネーション(過剰回内)とは】

歩行時の着地の際、外側で支えきれず、足部が過度に内側に傾くため、土踏まずの内側アーチが崩れます。 

つまり『 土踏まずに重心をかけて歩く 』この状態を『 オーバープロネーション(過剰回内)』と言います。

【 オーバープロネーションを抑制するために 】

・後脛骨筋 の筋力トレ
・長腓骨筋 の筋力トレ
・母指外転筋 の筋力トレ
・距骨下関節 のストレッチ
・アキレス腱 のストレッチ
・意識的な歩行改善(インソール)

上記を試してみる価値はあると思います。 

『 足 』について、私の知識内で知っている内容を話しましたが、残念ながら米国足病学会員など、足の専門資格を有した専門家ではありません。足はそれほど奥が深く難しい分野になります。そこを考慮して読んで頂けると幸いです。

柔道整復師・橋本です!

皆さんは『 関節弛緩性 』という言葉をご存知でしょうか?

関節弛緩性 とは『 異常な弛緩と可動性がある関節 』のことを言います。

患者様からよく聞く内容に、

・以前は、両手のひらが床についた
・以前は、背中で手を繋げた
・以前は、股関節が軽く180°開いた
 
『 以前は出来てたから、出来るようにして欲しい! 』
このような内容をお願いされる事があります。
 
『 身体が柔らかい事は、良い事じゃないの!? 』と思う方が多いかもしれませんが、柔軟性も過剰になると障害を起こすことがあります。
 
『 関節弛緩性 』はヨガ、ピラティス、バレエなど、柔軟性を求める方に知って頂きたいと思います。
 
【 関節弛緩性 をチェックしてみましょう 】

関節は、骨や靭帯、筋力の強さで安定性を保っています。
靭帯は、一定の動きを制限し、関節を安定させています。
つまり、関節の安定を保つのが『 筋肉・筋力 』になります。

【 筋肉が柔らかいと関節が変形する 】

身体が硬い原因は、

・関節の硬さ
・筋肉の硬さ
・軟部組織(筋肉、腱、靭帯、膜、脂肪、皮膚、神経)

など様々ありますが、身体が硬い原因のほとんどは『 筋肉 』にあります。
(※エストロゲン・ホルモンの影響で男性は硬く、女性は柔らかい傾向にあります。)

『 筋肉は硬いより柔らかい方が良い! 』と考えがちですが、必ずそうとは限りません。

例えば、外反母趾・O脚・変形性膝関節症・変形性股関節症・側弯症・脊椎圧迫骨折・外反肘など圧倒的に女性が多い疾患になります。

・『 筋肉が硬い 』と、日常生活や運動をする際に筋肉がストッパーとして働き、肉離れなど筋肉の障害が多くなります。

・『 筋肉が柔らかい 』と、骨や靭帯がストッパーとして働き、関節や靭帯の障害が多くなります。

以上を考慮すると、男性は柔軟性の向上が、女性は筋力の向上が必要かも知れないと考えられます。
 

【結論】

一般人は、手のひらは床に付かなくても良いし、背中で手は繋がなくても良いし、股関節は180度以上開かなくても良い。

競技をする人、必要以上の柔軟性を求める人は、障害を覚悟して『 関節弛緩性 』と向き合って頂くと良いと思います。

柔道整復師・橋本です!



 【 私が思うリハビリの考え方 】

身体は異常が生じると、それ感知して『痛み』という警報を鳴らします。
 
例えて説明すると『火災報知器』です。
 
『火元』と『火災報知器』は別々の場所にありますよね?
 
『痛み(火災報知器)』は、どこかに 『原因(火元)』があることを知らせています。
 
鎮痛薬は、『痛み(火災報知器)』を止める事が目的で、
『原因(火元)』を消すわけではありません。
 
鎮痛薬で、『火災報知器(痛み)』を止めた後、
リハビリで、『火元(痛みの原因)』を消します。
 
痛みの原因 である『火元 』を探して、
一緒に『消火』を目指しましょう。

第33回日本リウマチ学会近畿支部学術集会

リウマチケア看護師の永井です。

9月7日土曜日、神戸の学会で院長と演題発表をさせて頂きました。


初めての学会発表でしたので、途中何度も壁にぶち当たりましたが、 リウマチに携わる先生方・先輩看護師の熱いご指導と、なによりも一緒に働いている皆さんのご協力のおかげで、何とか発表に漕ぎつけました。

その結果、思いもかけない「優秀演題賞」を頂くことができました!

院長のご指導の下このような経験ができたこと、リウマチについての学びが深まったこと、ご協力してくださった周りの方々への感謝を、この場を借りてお伝えします。

そしてこの感謝の気持ちをエネルギーに、通院されている患者さんのより良いリウマチケアを目指して参ります。

今後ともよろしくお願いいたします。

柔道整復師・橋本です!

本日は脂肪燃焼について、触りだけお話しようと思います。
皆さんは『ケトジェニック と グルコジェニック』と言う言葉を聞いた事があるでしょか?

人は生きているだけでエネルギーを消費し、
食べた物からエネルギーを作っています。

【糖質(ブドウ糖)】
肝臓から血液に送られて細胞に入り、エネルギー源となります。

【タンパク質(アミノ酸)】
肝臓でタンパク質に合成されて、内臓や筋肉になど身体の重要な構成要素となったり、糖質に変換されエネルギーになります。

【脂質(脂肪酸)】
コレステロールに合成され、重要なホルモンの材料や身体の構成要素となったり、エネルギーになります。
 
 
【飢餓状態について】

断食や糖質制限など、空腹状態が続くと『飢餓状態』になり、『血糖値(血液中のブドウ糖の濃度)』は低下します。

血糖値が下がると脳から『ブドウ糖が足りないから、食事をしろ!』という指令が出て『お腹が空いた!』と感じます。(※血糖値を上げたくなる)

『お腹が空いた!』と言うのは『血糖値が低下した!』と言うサインです。
 
飢餓状態 が続くと体内のアミノ酸をブドウ糖に変換し、エネルギー源にしようとします。
(※この反応を『糖新生』と呼びます。)
 
 
【糖新生とケトン体について】
 
① 肝臓に蓄えられた『糖』が足りなくなると筋肉を分解して『ブドウ糖』を作ります。

② 体内で利用できる『ブドウ糖』が足りなくなった時は、体脂肪を燃やして『脂肪酸』を作ります。
(※『脂肪酸』から作られるエネルギー源が『ケトン体』)

つまり、身体は『ブドウ糖 と ケトン体』がエネルギー源となっているのですが、このケトン体は『糖質を摂取している状態』では生成されません。
 

・ ブドウ糖をエネルギー源として利用している状態を、『グルコジェニック』

・ ケトン体をエネルギー源として利用している状態を、『ケトジェニック』と呼びます。

『米を食べないと力が出ない』という人は、グルコジェニックな状態と言えるかも知れません。
 

現在、糖尿病や肥満など、生活習慣病を患う人は、今も増加傾向にあります。

生活習慣病は、動脈硬化を促進し、脳卒中や狭心症などの心臓発作を発症する危険性のある状態です。

そして、その原因に最も関連しているのが『糖の摂取量』です。(※インスリン感受性の低下も原因として挙げられます。)

『甘いもの、摂ってませんよ?』と言う方が、
当たり前になっている『糖質中心の食事』が元凶だったりします。

おにぎり・サンドイッチ・うどん・パスタ・清涼飲料水など、コンビニやファストフードで手軽に食べられるものは、『糖質』が含まれています。

お菓子を食べてなかったとしても、炭水化物を主食とした食生活を続けていると『糖質過剰の状態』になっているかも知れません。
 
【歴史的な背景について】
 
人類が登場したのは『約500万年前』、火や道具を使って進化し『約250万年前』から狩猟や木の実を採集する生活が始まったと言われています。

その頃の主なエネルギー源は、動物や魚・木の実などに含まれる『脂質とタンパク質』で、約75%を脂質・20%をタンパク質から摂取していたそうです。
 
約1万年前から『農耕文化』が始まり、米や麦など『炭水化物中心の食生活』へと変わっていったと言われています。

そして現代では、安価で
美味しく食べれる『精製した糖質』が大量に手に入るようになりました。

このような歴史的な背景もあり、『糖質過多』が当たり前になってしまったのですが、これが現代人の『肥満』を引き起こしていると言われています。
 
 
【ケトン体について】
 
話を『ケトン体』に戻すと、ダイエットをする上では『筋肉量の維持と脂肪燃焼』が非常に重要で、体内でケトン体が生成され、ケトジェニックな状態であることが望ましいと考えられています。
 
この『ケトジェニックな状態』にするためには、体内のブドウ糖が少ない状態にする必要があります。
 
飽食の現代人にとって『ブドウ糖がない状態』を作り出すことはとても難しく、意識的に『糖質の摂取量』を減らさなければなりません。
 
ケトジェニックな状態を続けることで、脂肪燃焼を促すダイエットを『ケトジェニックダイエット』と呼びます。
(※脂質を少なくするダイエットをグルコジェニックダイエットと呼ぶ)
 
【ケトジェニックダイエットの注意点】
 
・筋肉量低下(インスリン分泌による筋合成が起きにくいため、低下する可能性がある)
 
・代謝低下(甲状腺機能の低下)
 
・耐糖能低下(糖質処理できる能力=インスリン感受性の低下)
 
・体重/体脂肪の減少停滞や糖質摂取時のリバウンド 
 
上記のようなリスクが発生する可能性があります。
このデメリットの回避方法として『糖質制限は1~2ヶ月』と短期集中で実施し、その後は『脂質制限や緩い糖質制限』を実施するべきだと思います。