日別アーカイブ: 2015年8月7日

骨粗鬆症の検査2

千里中央駅直結 SENRITOよみうり片岡整形外科リウマチ科です。

以前にリウマチを心配して来院される方が多いという話をしましたが、今回は骨粗鬆症の検査の2回目です。前回は当院の骨密度検査の機器(腰椎と大腿骨)を紹介させて頂きました。

現在は整形外科の先生以外にも骨粗鬆症予防の意識がひろがり、当院へお見えになる患者さんでも、骨粗鬆症の治療薬を服用されているかが多く見られます。しかし、薬は服用されているのですが、骨密度検査や骨代謝マーカーのフォローをされている方は驚くほど少ないのが現状です、一つには、骨粗鬆症は症状がほとんどありませんから、患者さん自身が検査に積極的ではないということもあるかもしれません。その証拠に、採血データやお薬手帳を持参される患者さんは多いのですが、骨密度の検査結果を持参される方はほとんどありません。おそらく、最初に検査した時に結果は渡されているのでしょうが、長い間検査しないうちに無くされたのだと思います。全身骨密度検査を行える施設は限られているため、その手間を考えてしまい、検査がなされないままになっているのでしょうか。しかし、骨粗鬆症の治療を行っている以上、その効果を検証することは必要であり、そのためには定期的な検査がかかせません。その際はできれば腰椎と大腿骨での検査が正確ですし、さらに言えば同じ施設で骨密度検査を行った方が、経過の判定が容易だと思われます。

また、脊椎圧迫骨折や大腿骨近位部骨折も既往のある方や、関節リウマチや膠原病などでステロイド内服を続けている方などでは、骨折予防のためにより強力な治療が必要であり、そのためには定期的な採血もかかせません。

当然ですが、服薬とともに栄養指導や転倒予防の体操、自宅の整備などで骨折を予防することは言うまでもありませんが、そのような指導もまだまだ広がっていないようです。

症状が無い骨粗鬆症ですが、一旦骨折を起こすと生命予後が著しく悪くなることが知られており、地道に検査と治療を続けることが健康寿命を伸ばすことにつながると思いますので、これからも患者さんと二人三脚で骨折予防に努めたいと思います。

写真は当院にある骨折リスク評価ツールFRAXの計算機です。

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