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骨粗鬆治療の講演

千里中央駅直結 SENRITOよみうり片岡整形外科リウマチ科です。

先週は患者さんが大変多く、ブログが更新できませんでした。10月10日には、心とリウマチなどの痛みについて考える研究会にも参加していたのですが、書き込みができていません。またの機会に書きたいと思います。

さて、10月17日土曜日は講演会が重なって、忙しい一日でした。14時から豊中市医師会の骨粗鬆講演会に参加しました。

ガイドライン作成の一人である講師から、実践的なお話が伺えました。

まず、骨粗鬆症の目的が骨折予防と健康寿命の延長であること。これは以前から言われていることです。ただ、そのための骨密度検査は大腿骨がすすめられるとのことでした。

その理由として、これまで腰椎の検査がすすめられていたが、腰椎には海綿骨が多いため、腰椎の骨密度が上がることが皮質骨の多い大腿骨骨折の予防につながらない可能性もあることを強調されていました。

また、骨形成促進剤といわれている副甲状腺ホルモン製剤は骨形成もあげるが、骨吸収もあげ、皮質骨が弱くなることもあるため、長期の投与はせずに、骨吸収を抑えるビスホスホネートデノスマブに切り替えるのが骨粗鬆症治療としてはよいのではないかとデータを交えて話されました。ちなみに、ビスホスホネートやデノスマブのあとに副甲状腺ホルモン製剤を投与するのはよくないというデータが出ているそうです。

その後は今後発売される薬のデータを示され、カテプシンK阻害剤と抗スクレロスチン抗体のお話もされ、今後も骨粗鬆症治療はどんどん変わっていくということでした。

当院はまだ開院3カ月余りですが、すでに骨密度検査は150件を越えています。幸い、予約なしでも、大腿骨を含めて骨密度が計測できる体制にありますので、今後も、地域の皆さんの健康寿命延長のために努力してまいります。

 

豊中市骨粗鬆症ネットワーク

千里中央駅直結 SENRITOよみうり片岡整形外科リウマチ科です。

10月になり、秋らしい爽やかな日が多くなりました。当院も理学療法士が2人入職し、より充実したリハビリテーションを目指しています。

10月3日の午後に、刀根山病院が中心となって、豊中市の骨粗鬆症についての病診連携についての集まりがもたれました。以前にも書きましたが、吹田市ではすでに骨粗鬆症の病診連携がなされているようですから、豊中市でもこのような連携の会が立ちあがるのは非常に良いことだと思います。

ご存知のように骨粗鬆症は1000万人以上の患者さんがいると考えられており、年間15万人以上が大腿骨近位部(ふともものつけ根、股関節の部分)骨折を起こしています。この骨折では、大多数の患者さんで手術が必要となるのですが、それでも歩行能力は落ちますし、高齢の方が多いため肺炎、認知症、血栓塞栓症などの重大な合併症の率も非常に高くなります。最近の試算では、平均寿命の延長に伴い、50歳以上の女性の20%が障害の大腿骨近位部骨折を経験すると考えられています。

従って予防が大切なのですが、症状がないこともあり、検診の受診率は非常に低いのが現状です。このような現状を打破しようと、表記の会が立ち上げられ、整形外科のみならず、内科や他の科の先生やコメディカルの方も参加されていました。

講演では骨粗鬆症の現況と地域連携パスの試案の説明を受けました。その後に豊中市保健所所長から保健所の役割と健康づくりのお話がありました。

懇親会でも、地域の連携に熱心な先生とお知り合いになれました。今後は年2回の会合が予定されているとのですから、微力ながらお手伝いできればと思っています。

はじめまして!

片岡整形外科リウマチ科リハビリ担当下家(しもいえ)です。

9月16日より当院にてマッサージ、ストレッチを中心に施術を行っています。     では私の自己紹介をさせていただきます。昭和50年生まれ、豊中市在住、2児の父親です。趣味は釣りや旅行、スポーツ観戦等で先日のシルバーウィークも家族で海釣りへ出掛け42センチの黒鯛をゲットしました。

10月に入り少しずつ秋が深まって過ごしやすい気候になってきました。スポーツの秋という言葉もあり身体を動かすにはピッタリの季節です。健康に日常を過ごすうえで運動はかかせないものですので、何もしていないという方は簡単なストレッチやウォーキングから始めてみてはいかがでしょう?

これからも患者さんとのコミニュケーションを積極的にとり、明るく活気のあるリハビリ室にしていきたいと思いますのでどうぞよろしくお願い申し上げます。

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初めまして!

 

片岡整形外科リウマチ科 看護師 竹内です。
まずは自己紹介☆私が看護師になったきっかけをお話しします

むか~しむかし…私は4才の時に体調を崩し入院。その時沢山の医師、看護師にお世話になりました。その中の看護師の一人と母を介し高校卒業まで文通を続けました。人の心と体を元気にする看護師にずっと憧れ続け、夢を実現したアラフォーナースです☆
開院してもうすぐ2ヵ月になりますが、私達看護スタッフも勉強のため、先週は「北摂RAチーム医療セミナー」、今週はリウマチの勉強会に参加してきました。
薬物療法も20年前と比較し、進歩は著しく治療も痛みの緩和を中心とした対処療法から抗リウマチ薬や生物学的製剤により関節破壊を止め寛解を目指せるように変化してきています。
また早期診断、早期治療は患者さんのQOL(生活の質)を維持する、向上させることに有効です。関節の腫れ痛み、朝の手のこわばりがある、御家族にリウマチの人がいる、自分ももしかして?と不安に思っている方は受診をおすすめします。院長(リウマチ専門医)が丁寧に診察を行い、私たち看護師もゆっくりお話を聞かせていただきます。
私自身まだまだ勉強不足のため決して十分な役割を果たしているとは言えませんが、患者さんと出会い「人と関わる仕事」の大切さ、楽しさは私の看護の原動力になってます。痛みに苦しんでいる患者さんの戸惑いや不安を少しでも和らげ、ライフスタイルを充実させることのできるよう、患者さんひとりひとりの声を聞けたらと思っています。これからも笑顔でがんばります!どうぞよろしくお願いします!

リウマチと漢方

千里中央駅直結 SENRITOよみうり片岡整形外科リウマチ科です。

近畿地方も台風が過ぎ去り、空も徐々に秋らしくなってきています。

さて、タイトルの関節リウマチ(以下はリウマチとします)と漢方薬についての、現在の当院の考えは以下の通りです。まず、リウマチの目標は関節破壊を予防し、日常生活に障害がないようにすること、ひいては健康寿命を長くすることです。そのために、関節破壊が起こる前に診断し、治療介入することが推奨されているのです。

現時点で、関節破壊の抑制効果が明らかなのは、メソトレキサート(リウマトレックスなど)と生物学的製剤です。いずれも用法に注意は必要ですが、これまでのデータで有効性は確認されています。したがって、重症例や若年者にはこのような薬の使用が必要な場合が多くなります。これにタクロリムス(プログラフ)を追加する場合もあります。

一方、比較的軽症な場合、サラゾスルファピリジン(アザルフィジンなど)やブシラミン(リマチルなど)、イグラチモド(ケアラムなど)も有効な場合があります。このようないわゆる抗リウマチ薬を組み合わせて治療するのが標準的です。

あともう一つは、常に悪役とされるステロイド(プレドニゾロン、プレドニンなど)です。痛みをとり、炎症を鎮める効果は抜群ですが、関節破壊の予防効果は弱く、種々の副作用があるため、治療初期の痛みをとるために短期間使い、徐々に減量、中止していくのが一般的です。コントロールの難しい方でもなるべく少量(一日3mg以下)にすることが多いと思います。

では、漢方はどのような場合に使うのでしょうか?

当院では、症状や血液検査、レントゲンなどではリウマチと診断しきれない、いわゆる未分類関節炎の経過観察時(通常6カ月以内です)、および上記の抗リウマチ薬のサポートとして投与しています。これまで発表された論文やデータからはなかなかそれ以上の患者さんに漢方のみで対処するのは難しいのではないかと考えています。

まだ開院間もない当院へも数年間漢方だけでリウマチを治療したがよくならないといって来院され、すでにレントゲンでの関節破壊が起こっている患者さんもおられます。現在の医療では一度傷んだ関節を元に戻すことは難しいからこそ、予防が重要視されているのですが、まだまだ多くの患者さんにそのような情報が届いていないのかもしれません。

インターネット上にも、リウマチの治療に関して漢方のみで治療できるとか、ステロイドや抗リウマチ薬は有害無益といって患者さんの不安をあおるような情報や体験談などがあふれています。実際、漢方のみで治癒される患者さんがあることは否定しませんし、そのこと自体は喜ばしいことです。ただ、そのような情報には、どのような患者さんに漢方が効き、どのような患者さんには効かないのか、実際の有効率はどの程度か、どのくらいの期間で効果を判定するのかなど、臨床上必要なデータが記載されていないことが多いのです。漢方で治らなかった方の体験談というのはほとんどありませんが、その有効率が標準治療を超えているとは考えにくいと思います。まとめていうと、標準治療では70-80%程度の患者さんで症状の進行を抑えられますが、副作用や薬の継続が必要といった面もあります。一方、漢方などが効いた場合、患者さんは非常に楽だと思いますが、その有効率がわからないので、それだけに頼るのは難しいと考えています。また、漢方を勧める方の中には、そのほかの薬を使ってはならないという主張をされている方もあり、そのように治療の選択肢を狭めるのはいかがなものかとも思います、

まだまだリウマチに関してもわかっていないことが多いため、将来的には現在の標準治療が否定され、漢方のみでの治療も可能となるかもしれません。しかし、現時点で当院はリウマチの治療について上記のような考えを持っています。実際には患者さんとご相談し、治療方針を決めるわけですが、できるだけ適切な情報を提供できるように、新たな知識の吸収に努めようと思います。