千里中央駅直結 SENRITOよみうりの片岡整形外科リウマチ科です。
スタッフは記事を書いてくれているのですが、院長のブログの更新が滞っていました。
患者さんからも、ブログが更新されてませんね、といわれ、恥ずかしい思いをしましたが、読者がいるというは、励みにもなります。
前回の続きで『夏は来ぬ』です。
この歌詞は本当に初夏の風物をすべて網羅しています。
卯の花、ホトトギス、五月雨、早乙女、田植え、橘、蛍、水鶏など。
水鶏ですが、鳴き声から『水鶏が叩く』というのだと、習いました。実際の鳴き声は聞いたことがないのですが。
また、橘にはホトトギスがよく来て、菅原道真や紀貫之の歌にある梅と同じようにその香りは懐かしい人を思い出すという意味も込められているようです。
五月待つ 花たちばなの 香をかけば 昔の人の 袖の香ぞする 詠み人しらず (伊勢物語 古今和歌集)
これを本歌として
誰かまた 花橘に 思ひ出でむ 我も昔の 人となりなば 藤原俊成 (新古今和歌集)
という歌もあります。
わたしたちの先祖はこの歌のように、事物に季節だけでなく、感情まで含ませるという高度なレトリックを使っていたのです。また、枕詞、掛詞、縁語、歌枕というような技術もありました。
『七重八重 花は咲けども 山吹の 実のひとつだに なきぞ悲しき』 という歌を知らなかったという太田道灌のエピソードは落語にさえ、取り込まれています。なんと多くの人が豊かな感性をもっていたのでしょうか。
もうすぐ梅雨も明けます。今年の夏は、どんな夏になるでしょうか。