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コロナワクチンとリウマチ治療薬

千里中央駅直結SENRITOよみうり片岡整形外科リウマチ科です

当院では、保存管理などの点からコロナワクチンの接種はしていないのですが、リウマチ患者さんから、ワクチン接種のときの薬について尋ねられることがあります。コロナのワクチン自体ができたばかりであり、副反応などのデータがそろっていませんが、そのなかでもいくつかの推奨が提案されています。

以下では、当院で使用している薬を中心にご説明します。

なお、さらに詳しいことを調べられる際は、リウマチ情報センターのサイト宇多野病院のサイトなどをご参照ください。

多くの薬では、状態が安定していれば、ワクチンに関係なく、そのまま続行してよいようです。

まず、飲み薬ですが、
プレドニンなどのステロイドは量にかかわらず、続行。
プログラフ、アザルフィジンも同様です。ケアラム については言及されていませんが、スキップ(薬を休むこと)を勧めているのは私の知る限りではありません。

注意が必要なのは、リウマトレックスやメトレート( メトトレキサート MTX) です。ワクチン接種後1週間 の休薬を推奨されていますので、              ワクチンを打った週の服薬は避けてください。

あと、新しい薬であるJAK阻害薬も ワクチン後1週間は服用しないことが勧められています。これには、ゼルヤンツ、オルミエント、スマイラフ、リンヴォック、ジセレカなどが含まれています。

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次に、生物製剤の注射です。当院には皮下注射の患者さんだけですので、そこを中心にお話しします。レミケードなど点滴の生物製剤を使われている方は リウマチ情報センターのサイト もご参照ください。

エンブレル、シンポニー、シムジア、ヒュミラエタネルセプト、アダリムマブ のバイオシミラー ( TNF阻害薬)や アクテムラ、ケブザラ ( インターロイキン6のレセプター抗体 )の皮下注射製剤では、とくに変更の必要がありません。

一方、 オレンシア ( アバタセプト )の皮下注射では ワクチン前後 1週間投与しない ように推奨されています。一般的にオレンシアは毎週投与されますので、一回スキップしてコロナワクチンを打つように調整するのが望ましいと考えられます。

以上のように、薬によってワクチンと服用方法を変えることが勧められていますが、今後も変更はあるかもしれません。

通院中の患者さんには、随時ご説明していますが、新しいことがわかりましたら、このブログでもご報告いたします。