皆さんは『 関節弛緩性 』という言葉をご存知でしょうか?
関節弛緩性 とは『 異常な弛緩と可動性がある関節 』のことを言います。
患者様からよく聞く内容に、
・以前は、両手のひらが床についた
・以前は、背中で手を繋げた
・以前は、股関節が軽く180°開いた
『 以前は出来てたから、出来るようにして欲しい! 』
このような内容をお願いされる事があります。
『 身体が柔らかい事は、良い事じゃないの!? 』と思う方が多いかもしれませんが、柔軟性も過剰になると障害を起こすことがあります。
『 関節弛緩性 』はヨガ、ピラティス、バレエなど、柔軟性を求める方に知って頂きたいと思います。
【 関節弛緩性 をチェックしてみましょう 】

関節は、骨や靭帯、筋力の強さで安定性を保っています。
靭帯は、一定の動きを制限し、関節を安定させています。
つまり、関節の安定を保つのが『 筋肉・筋力 』になります。
【 筋肉が柔らかいと関節が変形する 】
身体が硬い原因は、
・関節の硬さ
・筋肉の硬さ
・軟部組織(筋肉、腱、靭帯、膜、脂肪、皮膚、神経)
など様々ありますが、身体が硬い原因のほとんどは『 筋肉 』にあります。
(※エストロゲン・ホルモンの影響で男性は硬く、女性は柔らかい傾向にあります。)
『 筋肉は硬いより柔らかい方が良い! 』と考えがちですが、必ずそうとは限りません。
例えば、外反母趾・O脚・変形性膝関節症・変形性股関節症・側弯症・脊椎圧迫骨折・外反肘など圧倒的に女性が多い疾患になります。
・『 筋肉が硬い 』と、日常生活や運動をする際に筋肉がストッパーとして働き、肉離れなど筋肉の障害が多くなります。
・『 筋肉が柔らかい 』と、骨や靭帯がストッパーとして働き、関節や靭帯の障害が多くなります。
以上を考慮すると、男性は柔軟性の向上が、女性は筋力の向上が必要かも知れないと考えられます。
【結論】
一般人は、手のひらは床に付かなくても良いし、背中で手は繋がなくても良いし、股関節は180度以上開かなくても良い。
競技をする人、必要以上の柔軟性を求める人は、障害を覚悟して『 関節弛緩性 』と向き合って頂くと良いと思います。
