コロナワクチンとリウマチ治療薬 その2

千里中央駅直結SENRITOよみうり片岡整形外科リウマチ科です

前回のエントリーで コロナワクチンとリウマチ治療薬について書きました。 その中で、リウマトレックス、メトレート(メトトレキサート MTX)では、ワクチン接種後1週は休薬したほうがよいとご説明しましたが、それを支持する論文が出されました。

 内容は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するBNT162b2 mRNAワクチン(ファイザー社製のものです)の接種に対する免疫反応を見たものです。関節リウマチなどで免疫調節治療中の患者さんと健常者を比較したところ、健常者と生物学的製剤での治療(TNF阻害薬など)では90%を超える抗体産生(コロナウイルスに対する免疫ができること)が確認されたものの、メトトレキサート(MTX)服薬中の患者さんのうち十分な反応が見られた患者の割合は62%だったそうです。

つまり、 TNF阻害薬など はワクチンの効果に影響しないが、メトトレキサート(MTX) はリウマチなどの炎症は抑える効果がある反面、ワクチンの効果を下げるかもしれないという結果です。 このことからも、現在推奨されているワクチンを接種してもTNF阻害薬(エンブレル、ヒュミラ、シムジア、シンポニー、レミケードなど)は休薬しなくても良いが、ワクチン接種後 1週間は メトトレキサート(MTX) を休薬するというのは、理にかなっていると思われます。ただ、どの程度の休薬が、リウマチなどの病気の炎症抑制とワクチンの効果を最大にするかは今後の検討課題と考えられます。

いずれにせよ、リウマチを治療中だからコロナワクチンを打てないということはありませんので、使われているお薬を確認して、主治医の先生にご相談ください。今後も有用と思われる情報があれば、随時エントリーさせていただきますので、よろしくお願いいたします。。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です