柔道整復師・橋本です!

今回は、皆さんお馴染みの『スクワット』について、少し掘り下げて解説したいと思います。

『スクワット』は筋トレの種目として有名ですが、意外と理解されていない種目です。

以前、私が投稿したブログで、

スクワットは『キング・オブ・エクササイズ』と呼ばれ、一度に多くの関節や筋肉を刺激する事が出来る種目です。

とお伝えしました。

しかし、このような大雑把な説明では、わからないと言う方も多いので、一歩前に踏み込みたいと思います。

まず、スクワットを『キング・オブ・エクササイズ』と呼ぶのは、

『Hip Drive(ヒップドライブ)』と言って、お尻を支点に『くの字』に曲げて伸ばす動きを、直接トレーニングできる種目だからです。

陸上短距離選手を思い出して下さい。
『クラウチングスタート』と言って地面に手を着いて前傾姿勢を取ります。

前傾姿勢を取る事が、スタートダッシュに有効なのは知っていると思いますが、あれが『ヒップドライブ』を使う為の姿勢です。

前傾して、太ももとお腹を近づけ、体を『くの字』に曲げた状態から、体を伸ばす動きが爆発的な力を生み出します。

地面を蹴る動きを、野球ならバットに、テニスならラケットに、格闘技なら拳に乗せます。

上体を直立したまま地面を蹴る事は出来ません。

【実際に、検証してみて下さい!】

① 試しに、まっすぐ直立し、膝も腰も伸ばした状態で地面を蹴って下さい。

おそらく、足首を動かして少し跳ねるくらいです。

② 次に、直立したまま、膝の屈伸だけで飛んで下さい。

飛べない事ははないですが、力が出ないと思います。

つまり、ジャンプや、スタートダッシュの爆発的な力は、膝の曲げ伸ばしが生むわけではありません。

③ 今度は、膝を伸ばしたまま、腰を前後に振ってみて下さい。

膝を少し曲げて、バランスを取らないと力が伝えにくい感じがする!

と思いますが、お尻を後ろに引いてから、曲げたお尻を伸ばす動きは、大きな力が出るのを感じると思います。

検証から、ジャンプやスタートダッシュをする時の力の源は、体を伸ばす『お尻の動きが主役』で、膝は、その力を地面に伝えるバランサーの動きをしている事が分かったと思います。

つまり、力の源がヒップドライブで、その力を効果的に伝達する為に膝の動きが必要となります。

今までの説明からわかるように、スクワットの基本は『フルスクワット』です。

体を屈曲してお尻の筋肉を伸ばし、体の裏面を収縮させて爆発的な力を生み出すヒップドライブをトレーニングする事が重要で、その為に深くしゃがむ必要があります。

ハーフスクワットやクオータースクワットなど、色々なスクワットがありますが、特別な目的がなく、力強い体作りを目的とするなら、フルスクワットです。

フルスクワットは膝を痛めやすいという話は聞いた事があると思います。

これは、ハーフスクワットで無理に重い重量を扱う事で、ウェイトを背中が安定的に支えきれなくなって、上体の屈曲が出来なくなり、膝が前に出ます。

これが一番膝を痛めます。

【スクワットの姿勢について】

・足幅=肩幅

両肩の外側の垂直線が、踵の中心に来る足幅です。
つま先の向きは、約30度

・ボトムポジション(しゃがんだ姿勢)

太腿が地面と平行になるまで、しゃがみます。
手の掌を合わせて(合掌)、肘を膝の内側に押し当てます。

足の裏がしっかり地面につく状態で、両肘が両膝の内側に押される状態になっていれば良いです。

(※ 毎回、この状態を確認する事が大切です。)

しゃがむ時、膝はつま先と同じ方向に動きます。

しゃがんだ姿勢では、膝はつま先と同じか少しだけ前に出る感じになります。

その分、上体は前傾姿勢になりバランスを取ります。

スクワットは、しゃがむというより、小さな椅子に座るような動きです。

【スクワットの動作】

起き上がる動作で気を付ける事は、ヒップドライブの動きだという事です。

膝を伸ばす、地面を蹴ると言った、脚の筋肉に集中するのは間違っています。

お尻が上から引っ張られるような感覚で起き上がります。

今回はスクワットのフォームについて、解説しました。

どんなフォームでも変なところに力を入れれば怪我はします。

大事な事は、何を鍛えるトレーニングなのかをしっかり頭で理解する事です。

スクワットの説明は、世界的な名著である、Mark RippetoeのStarting Strength 3rd editionとKelly StarrettのBecoming a Supple Leopard 2nd edition を参考にしています。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です