言霊思想について

皆様こんにちは、リハビリテーション科の串崎です。

この夏で開院3年目・・・口コミや再来の患者様も多く、感謝とともに、更にご期待に添える事ができますように研鑽中です。
そんな折に感じた話題を提供させて頂きます。

『言霊思想』は日本では浸透していると思いますが、初めての患者様で、もうあの世へ行きたいとか、悲観的な言葉を口にされる方がいらっしゃいます。

数軒の整形外科で、年やから治らんとか、手術しかないとか、原因不明で治療できないとか、言われればやむをえない事かも知れません。

リハビリテーションではまず患者様のヤル気を引き出さなければなりませんので、
私は『テロメアとエントロピー』を引き合いにしています。

まず、『テロメア』は染色体の中にあり、人間の体を修復するたびに減少し限度は120歳位と言われています。

『エントロピー』と言う言葉から120年間体を維持するために頑固な構造よりも脳以外は絶えず作り変える事で維持する仕組みになっています。

従って人間の体は120歳までは可能性を秘めている事になります。

リスクも伴いますから、初めに治せるとかのお約束は出来ませんが代わりに、患者様の症状に関心を持って根気よく治療しますと言って、健康保険で許容される5ヶ月間リハビリテーションを行います。

その間に痛みや動きなどの僅かな変化を患者様自身が実感されることで次第に意欲も向上してきます。

最後に『診察室での説明が少ないのでもっと教えて下さい』とよく言われることがありますので、その事にふれてみたいと思います。

診察室は第1の医学(治療医学)で診断とか処置が主ですが、リハビリテーションは第3の医学でここでは、自立した生活を維持していく上で必要な事を調べて計画を立て時間をかけながら訓練を行います。

例えば膝の痛い人、痛みの治療は勿論ですが、履物や歩行指導など、力のかかる方向を変えるだけで痛みがなくなることがあります。

また、リハビリテーション科での説明で、医師と同じ目線で説明すると、患者様も混乱して、院内のチームワークを乱すことになりますので、知識はあっても立場をわきまえて言葉を選ぶようにしています。

リハビリテーションも大学化傾向で向上していますが、貴重な訓練時間が説明で費やされることがないようにしています。
私は見ての通り頭がでっかちなので説明よりも体を動かす事を重視しています。

終わりに、患者様を英語で『Patient』と呼び、これは耐える意味らしいですが、生きていく中で病気やケガは付き物です。
そんな時には弱音を吐かず、耐えるよりも前向きにリハビリテーションを受けていただきたいと思います。

ご参考までに、当院の診察室では治らないとか、言われませんし、リハビリテーション科スタッフの患者様へ取り組む姿勢には定評があります。
残暑が続いています。皆様お元気で過ごされますようお祈り申し上げます。

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