エコーについて

千里中央駅直結 SENRITOよみうり片岡整形外科リウマチ科です。

機器の紹介ですが、今回はエコー(超音波診断装置)についてです。

関節リウマチの診療は21世紀に入り、劇的に変化しています。その主役は生物学的製剤ですが、もう一人の主役が、関節エコー(こちらは動画です。

関節の炎症をみるのに、これまでは症状と血液検査が主であり、レントゲンはかなり進行した状態しか明らかにできませんでした。MRIは有用でしたが、費用や設備の問題で手軽に検査できないなどの制約があり、なかなか広がりませんでした。一方、エコーは期待されていましたが、元来肝臓や心臓を診るのに使われていたため、指などの小さな関節を診るには解像度が低く、なかなか実用に至りませんでした。しかし、ここ数年の機器の進歩で検査の精度が飛躍的にあがり、関節リウマチを含めた運動器疾患に対してエコーは大きな武器となりました。

関節エコーでは、関節の炎症(滑膜炎といいます)をリアルタイムに描出できますし、またレントゲンではっきりしない初期病変もわかります。しかも、炎症の程度を確認できるため、痛みなどの症状や血液検査とあわせて、薬の効果を判定できます。このように現在のリウマチ診療にエコーは欠かせないと考えています。

もちろん、肩の腱板断裂(少し長いですが運動期のエコーの動画です。)などのレントゲンでわかりにくい病変にも力を発揮します。そのほかには、ブロック治療(日本語では動画などの詳しいサイトにリンクできていません。英語でよければこちらをご覧ください)においても神経や血管の正確な位置を確認できるため、安全かつ確実に治療を行えます。

高い解像度を得られる機種ですので、開院から1週間ほどですが、すでに10人以上の検査で活躍してくれている頼もしいパートナーです。

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