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リウマチとサルコペニア

千里中央駅直結 SENRITOよみうり片岡整形外科リウマチ科です。

8月最後の夜、新大阪でのリウマチの講演会に行きました。

そこで、リウマチ患者さんのサルコペニアについて聴いてきました。サルコペニアとは最近よく言われる言葉ですが、筋肉量が減ることです。これは、ロコモ、フレイルとも重なるのですが、ロコモは筋肉に限らず運動能力が低下すること、たとえば背中が曲がる、膝が痛い、神経障害で動きにくいなどすべての運動障害を指しています。また、フレイルは全般的に生活機能が落ちている状態で、その原因として社会的、心理的要因、つまり意欲低下やひきこもりなども含みます。ただ、いずれの状態も筋力低下は大きな原因となりうるので、サルコペニアは大事と考えられています。

現在では、サルコペニアの診断は全身の筋肉量をCTで測ることでしか確定できませんが、その講演会では血液検査で推定する方法も紹介されていました。リウマチ患者さんは、炎症の程度、薬の副作用を調べるために採血は欠かせませんから、筋肉量を採血で測れるなら、非常に有用と思われます。また、ある種の注射製剤はサルコペニアの改善に役立つ可能性があるというデータも示されていました。

また、他院の内科で治療中のリウマチ患者さんが、急に関節が腫れたということで来院されましたので、応急処置後元の病院に戻って頂いたのですが、その患者さんを診て頂いた先生ともお話しできました。

私は整形外科ですので、リウマチ膠原病内科の先生のお話は、視点が異なることも多く、非常に新鮮です。今後もこういう形でも地域連携を行い、患者さんのお役に立てればと思います。

リウマチの診断治療は本当に日進月歩で、あらたな薬や病態の解明など、つぎつぎと新しい情報が出てきていますので、今後も勉強は欠かさないようにしたいと思います。

ランニングをしてみました

千里中央駅直結 SENRITOよみうり片岡整形外科リウマチ科です。

ここ数日はっきりしない天気が続いています。今日は午後から休診なので、ランニングをしました。

実は数年前に、帰宅途上を一日10キロほど走っていたのですが、膝を傷めてやめてしました。その後、昨年7月に開業し、今年の年始に減量を宣言、階段上りをしていたのですが、暑い日に階段はつらく、8月はさぼっていました。

その代わりに9月半ば過ぎから、週に2、3回、一回3から5キロを走るようにしました。ただ、帰宅してから走るとなると億劫になるので、昨日は小雨交じりでしたが、自宅から3駅離れたところで降りて、3キロほど走りました。

そして、今日は午後が休診なので、できるだけ走ってみようと思ったところ、11キロほど走れました。時速はおおよそ9キロ程度ですが、意外とできるものだなと、うれしく思いました。

リハビリと同じで、継続が大事ですから、すこしずつでも前進したいと思います。

学びて思わざれば

千里中央駅直結 SENRITOよみうり片岡整形外科リウマチ科です。

理学療法士の串崎先生が哲学者カントの言葉、「実践なき理論は無力であり、理論なき実践は暴力である」を紹介されていました。

恥ずかしながら私は知らなかったのですが、論語にも似た言葉があります。

子曰、学不思則罔、思不学則殆。

子曰く、学びて思わざれば則ち罔し(くらし)、思いて学ばざれば則ち殆し(あやうし)。

孔子先生はおっしゃいました。

「どんなに勉強しても、自分で考え、研究しないかぎり本当の知識とはなりません。しかし、自分で考えるだけで人の知識や経験を学ぼうとしなければ独善におちいるのです。」

理論を学び、自分で考え、そして実践することの大切さは、洋の東西を問わず賢人の教えるところなのでしょう。それに三省が加われば理想的です。もちろん凡人にその境地は程遠いのですが、そういうことを目標とするだけでもすこしは足しになるかもしれません。

久しぶりの発表

千里中央駅直結 SENRITOよみうり片岡整形外科リウマチ科です。

ご報告が遅れましたが、4月23日土曜日は以前に勤めていた八尾市立病院が中心になっている八尾整形外科懇話会に参加しました。

開院以来できるだけ講演を聴きには出かけていましたが、今回は久しぶりに自分で発表しました。リウマチ科も標榜していますので診断に迷うようなケースもあり、みなさんに紹介したのですが、いろいろなご意見を頂き大変勉強になりました、

人に話すことが最大の学びになるとはよく言われることですが、準備しながら疾患の知識を再確認することも多く、やってよかったと思いました。

確かに時間と手間はかかりますが、今後もできる範囲で自分の経験を振り返る作業はしていきたいと思います。わからないことを気に留めておくと、ずっと後に解決することもありますし、そうやって得た知識は鮮明に記憶に残ります。わからないことは苦しいので、ついつい先送りにしがちですが、もう少しだけと粘ることで新たな展望がひらけることもあります。有名な医学者が『明日の教科書は患者さんの中にある。』という言葉を残しておられますが、一人一人の患者さんに真摯に向き合うことから得られるものはそれだけ大きいということなのでしょう。診療所での限られた時間と医療資源の中でも、工夫次第で診療のレベルを上げていくことはできると信じて、明日からも頑張ろうと思います。

知命

千里中央駅直結 SENRITOよみうり片岡整形外科リウマチ科です。

3月27日に満49歳になりますが、数え年では今年の元日で50歳になっています。論語に言う知命です。

吾十有五而志于学、三十而立。四十而不惑、五十而知天命。            六十而耳順、七十而従心所欲不踰矩。

吾十有五にして学を志し、三十にして立つ。四十にして惑わず、五十にして天命を知る。 六十にして耳順(したが)い、七十にして心の欲する所に従えども、矩(のり)を踰(こ)えず。

孔子様のような偉い人は、すでに惑いがないどころか、天命さえ知ることができたようですが、私はまだまだ一人立ちさえ覚束なく、多くの人に支えられ、なんとか日々を送っているようなものです。しかし、天命を知る時を待ちながら、できるだけのことはしたいと思います。それこそが、凡人にできる唯一の道だと信じて。