日別アーカイブ: 2016年7月17日

柔道整復師・橋本です!

親類と、友人知人と、先輩後輩と、

学校や職場で『 力比べ 』としてよく行われる『 腕相撲 』ですが、骨折事故がある事はご存知でしょうか?

これまでアームレスリングの技術や大会についてブログに書きましたが、非常に多くの方にご愛読して頂いておりますので、

今回はアームレスリング競技と類似する『 腕相撲 』での骨折事故について留意すべき点を解説したいと思います。

【〜腕相撲による骨折〜】

腕相撲で骨折する場所は、90%上腕骨です。

image
肘を支点に相手を倒そうとする力と、相手がこちらを倒そうとする相反する力が上腕骨の中央部に加わり、上腕骨は捻れるように折れます。

これを『 上腕骨螺旋骨折 』と言います。

折れる時に周りの組織や神経を巻き込みながら骨折する為、機能回復までには手術と長期間のリハビリが必要になります。

image
『 とても楽しい腕相撲 』が大変な事態にならないように、腕相撲での骨折を防ぐ留意点と、万が一の場合の応急措置をご紹介します。

【〜骨折を防ぐ為には〜】

腕相撲で骨折が発生する体勢はほぼ決まっています。

力を入れようと拳から目を離し、身体が開いた状態で力を加えた場合に骨折は起こります。

わかりやすく言えば、野球の投手のような体勢です。

この体勢は腕の筋力ではなく、腕の骨と靭帯のしなりを使って拳に力を伝えています。

投手は筋肉ではなく全身のしなりを腕に伝えてボールを投げるので、投球としては理に適っていますが腕相撲はそうはいきません!

この態勢の拳に相反する力、体重とスピードが一気に加われば骨は張力の限界を越えて『 ポキッ‼︎ 』と折れます。

骨折を防ぐ為にも腕相撲での態勢は、『 拳から目を離さず、拳は肩より内側で力を入れる 』ようにしましょう。

もし、その体勢を維持できないのであれば力で相手に負けている事なので、それ以上身体が開いた状態で勝負を続けるのは止めて下さい。

その状態は力ではなく骨の張力で耐えているだけです。

【〜骨折が起こったら〜】

不幸にも骨折した場合、骨折者は数秒間自分の上腕骨が折れた事に気づきません。

腕が急に脱力したかの様に変な方向を向いた事に驚き、机から肘を離そうとします。

すると腕の骨折部分より先が垂れ下がり、この時に周囲の神経や軟部組織を傷つけます。

『 折れた‼︎ 』と思ったら、周囲の人は骨折者の腕が『 ブラ〜〜ン 』と動かないように支えて固定して下さい。

枯木が折れるような『 パキッ‼︎ 』と乾いた音がしますので、脱臼とは区別がつきます。

また、救急車を呼び到着までは骨折者に声をかけ続けて下さい。

骨折者は壮絶な痛みと恐怖でパニックを起こしています。

少しでも鎮める為に、嘘になりますが『 大した事ないから大丈夫 』などと安心させましょう。

それでは、より良い『 腕相撲ライフ 』を送って頂ける様、心から願っております。