日別アーカイブ: 2015年10月22日

私の好きな医療番組 総合診療医 ドクターG

千里中央駅直結 SENRITOよみうり片岡整形外科リウマチ科です。

過去に例のない高齢化がすすむわが国では健康への関心が非常に高くなっています。新聞、テレビ、インターネット、雑誌などさまざまな媒体で健康情報を目にしない日はありません。以前にも書きましたが、診察中に患者さんから「昨日テレビでこんなことをいっていましたけど。。」と尋ねられることも珍しくありません。

そのようなテレビ番組の中で医師の眼から見て、圧倒的なクオリティーを誇るのが、NHKの総合診療医 ドクターGです。最初この番組を見たとき、紹介される患者さんを診断するのがあまりにも難しいので、医療知識のない人がこんな番組を視ておもしろいのだろうか、と疑問を覚えましたが、すでにシーズン6に入っています。浅草キッドさんの司会も非常に的を射たものであり、非常にテンポよく番組が進みます。

番組の特徴は、どこが悪いのかさえわからない症状の患者さんに向き合う医師の診断に至る思考過程を非常に丁寧に伝えてくださるところです。たとえば、熱があって体がだるいというような症状から、体のどこに不調があるのかさえ推測するのが非常に難しい場合もあります。しかし、丁寧な問診によりフォーカスを絞り込み、その後に身体診察、画像、採血などの検査を加えることにより、診断に至るわけです。むやみに、検査をするとノイズも増えてしまうので、診断に至る道筋を失うことさえありうるので、検査の目的をはっきりさせることが大切であり、そのために問診があるのです。

番組内で実際の教育カンファレンスが開かれ、症状から診断へいたる謎解きの道筋を非常に明快に示してくれるので、病院勤務医時代にも研修医などに強く勧めていました。というよりも、医師でこの番組に興味を持たない人が信じられないという位、楽しみにしています。

今年、診療所を開いてからは手術を行わない医師となりましたので、患者さんの訴えを良く聴くことが中心になり、診断というものに意識を集中しています。診断学の道は非常に深いため、今後もできる限り、いろいろな機会をとらえて勉強を続けていていきたいと思います。