日別アーカイブ: 2015年9月16日

人工知能の将来

千里中央駅直結 SENRITOよみうり片岡整形外科リウマチ科です。

先日、テレビで人工知能が東大合格を目指す番組を放送していました。いまの人工知能は、すでに高校生の模擬試験で偏差値50以上になっています。開発者の話では、過去の例の検索などは得意なので、世界史などが高得点になっているそうです。

その後、将来人工知能がどのような仕事を担うかという話になりました。会計などは当然として、過去の判例などを調べる弁護士やこれまでの融資事例をビッグデータとして蓄積する銀行の審査、あるいはプレスリリースされた記事を書く記者などが今後は人工知能に置き換えられる可能性が言われていました。人工知能は、過去の例を検索し、論理的に類似のものを作るのに優れているからです。一方、言葉をイラストにすることや会話は苦手なようです。開発者は少年ジャンプを読むのが一番難しく、未来永劫できないかもしれないと言っておられました。

一方、人工知能が担えない仕事として、介護士や保育士のような個別に対応が必要な仕事をあげておられました。医師の診断にも人工知能を使うということが徐々に行われていますが、このような過去のデータから類似例を調べるといった仕事は得意かもしれません。しかし、医師の仕事は、診断とそれに基づいた治療というだけではないようにも思われます。実際、医学的に正確なことをいわれていても、満足されない患者さんが多いからこそ、ドクターショッピングなどがおこるのではないでしょうか?日々の診療は、患者さんの身体状態や感情の変化を会話や表情からも推測するものであり、それに適切に対応することが安心につながるのだと思います。

人工知能は、与えられた仕事は非常に上手にこなすでしょうから、目標を与えれば「それはやりました。」と応えてくれるとは思いますが、「ここまでやってもらえるのか!」という熱意を感じさせることや期待を超えたものにはなかなか到達できないと思います。そして、私たちは、いろいろな意味で患者さんに「本当によかった。」といわれるような医療を提供したいと思っています。