生物製剤の講演会

千里中央駅直結 SENRITOよみうり片岡整形外科リウマチ科です。

8月29日土曜の午後に生物製剤の講演会に参加しました。

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当院はまだ開設から2か月足らずですが、リウマチ科を標榜している関係上、すでに生物製剤を使用している患者さんが数名おられます。

ご存じのようにリウマチの治療は目覚ましく進歩しており、生物製剤もインフリキシマブ(商品名レミケード)の日本での認可から10年以上経過し、複数の選択肢があります。さらに、経口剤であるトファシチニブ(商品名ゼルヤンツ)も生物製剤と同等の効果が期待されています。しかし、どの生物製剤の有効性も高いために、種類が増えたゆえに選択を難しくしている面も否めません。

今回の講演会では、どのような患者さんにどのような生物製剤を用いるかを、エキスパートの先生方から伺うことができました。当疾患活動性が高い場合に生物製剤の導入を考えますが、以下のような疑問はまだ完全に解決されてはいません。

1)若年者と高齢者では自ずから感染症などへの抵抗力に差があるため、効果と安全性の違いを考慮する必要があるので、どう選択するのか?

2)メソトレキサート(商品名リウマトレックス、メトレート)をはじめとする抗リウマチ薬が副作用などで服用できなければ、中等度の疾患活動性でも生物製剤導入を考える場合もあります。このような場合はどの生物製剤を用いるべきか?

3)生物製剤で投与量に幅を持たせてあるものの、投与量はどうするのか?

4)最初は効いていた生物製剤の効果が下がった場合(二次無効といいます)、次に使うのはどの製剤がよいのか?

5)高齢者でのメトトレキサートは、腎機能低下などで副作用のリスクが上がるので、生物製剤への切り替えの方が安全なのか?

今回の講演会はそのような疑問に焦点をあてて、会場からのアンケートもとりながら進められました。私の回答は多くの先生と同様の選択でしたので、大きな間違いはないだろうと安心しました。新潟から講演に見られた先生が、生物製剤の除痛効果の立ち上がりに差があるため、最初はステロイドを併用したり、投与間隔を短くしたりすることを強調されていました。当院でも除痛のために短期間のステロイド投与はよく行っていますので、納得できる話でした。また北陸は診療圏が広いため(特に冬は船!や電車が止まることも多いため、困るそうです。)、専門病院で生物製剤導入後に診療所と連携していることについて言及されていたのが、印象的でした。

今後も、診療所として小回りが利くことを生かして、病院の先生方と連携し、地域のリウマチ患者さんのためになれるように努力したいと思います。

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