日別アーカイブ: 2015年8月12日

診断書について思うこと

千里中央駅直結 SENRITOよみうり片岡整形外科リウマチ科です。

今日はすこしいいことがありました。自宅の最寄りの駅までは自転車で行き、その後地下鉄に乗っているのですが、帰路に自転車のカギを確認するとないのです。落としたのかと思いましたが、実はカギをかけ忘れていたのです。日本は治安がよいのでしょう、自転車はカギがかけられないまま、その場所にありました。ありがたいことです。

さて本題ですが、当院に厚生年金の障害年金診断書をお持ちになられた患者さんがおられました。更新のための受診でしたので、前に書いてもらったところでお願いされたらどうですか、とお答えしたところ、通院していないから書けないと言われたそうです。その後、当たった数軒も全てかかりつけでないからと断られたため、開院間もない当院を受診されました。

医療機関ではいろんな種類の診断書を書くことがありますが、その中でも身体障がい診断書や障害年金の診断書は記載事項が多く、可動域の測定なども時間がかかります。これまで、公的な病院に勤めていた時に脊髄損傷や関節リウマチの患者さんの診断書を書いてきた時もお一人にそれなりの時間がかかっていました。したがって、医師が一人しかいない診療所では手に余ることもあります。一方、公的な病院は紹介状がないと受診できず、診断書希望では難しいかもしれません。今回の患者さんはお気の毒としか言いようがない状況であり、お引き受けしましたが初診で診断書を書くのは難しいため、何度か通院して頂く必要があると説明しました。このように診断書難民のようになっている方が他にもあるのかもしれないと思うと、なんともやりきれない気分になりました。

いまは、急性期のリハビリが終わると病院の外来でなく、地域の診療所へ逆紹介されることが多く、それはそれで機能しているのですが、この患者さんのように医療システムが実情に合わない場合もあります。これは行政や自治体を含めた社会全体として考えるべき問題です。しかし、そのような抜本的な改革は時間がかかりますので、現在お困りの方にとっては問題解決になりません。当面は受付や検査、会計などのシステムを改善することで時間の無駄を少なくし、できるだけ患者さんに向き合える時間を作ることで、地域に貢献できるようになりたいと思っています。